idea factory from newspaper 2003 8 19

光と影(between light and shade)
 日経平均株価は、関係者の念願がかない、
終値で、10000円を維持した。
これは、4回目の挑戦だったそうです。
 光が強くなれば、影は小さくなる。
しかし、逃げ切れただろうか。
長期金利は、1.210%に急上昇。
債券価格は急落。
7月4日以来の水準。
(7月4日と言えば、債券先物が最安値をつけた日である。)
債券先物相場は、139.55円で引けた。
 私の記憶が正しければ、
6月に145.09円の高値を記録したはずである。
 140円の心理的カベを下に抜けたのが、気になる。
140円から142円のレンジを維持できれば、ソフトランディング。
140円の底を、今後も抜けて行くならば、ハードランディング。
そんな想像も、あり得る。
 おそらく、メガバンクは、債券で損をしても、
株式で大きな利益がでるので、株高を歓迎しているが、
そうでない金融機関もあるはずである。
 5月、6月高値で、債券を買っていた投資家が逃げ切れただろうか。
激流下り。
大河が、まさか激流になるとは、思っても、みなかったでしょう。
 円ドル相場は、かつて激流であったが、
最近は、大河にでたのか、まるで、湖のなかにいる。
 債券相場は、今、激流の中にいる。
コップの中にいる人は、コップの中の嵐で、大変でしょうが、
たまには、コップの外も見る必要がある。
それは、市場を見ることである。


不良債権問題 bad debt problem 2003 5 25

 日本では、この10年間、金融機関の不良債権問題が注目されてきました。
しかし、最近では、別の問題にも注意が必要となってきました。
 それは、長期金利があまりにも低下したことです(これは、債券価格の上昇を意味します)。
しかし、長期金利の低下が、永遠に続くわけはありません。
また、基本的に価格というものは、永遠に上昇し続けることはありません。
 あまりに金利が低下した場合は、その反動も起こりえます。
何かのきっかけで、長期金利が急上昇することもありえます。
基本的に市場というものは、そういうものです。歴史を見れば、わかります。
 こうしてみると、債券を大量に所有している者は、大量にリスクを所持している者に等しい。
このリスクを所持している者は、さらにまた、アメリカの国債を所持していないでしょうか。
もし、所持しているとすれば、リスクの二乗となります。
日本で長期金利の上昇がなくても、アメリカで、それがあることも考えられる。